KENJIN-SHA

ご訪問ありがとうございます。令和劔人舎です。


「剣道用具マニュアル 2023」

プロジェクト

剣道を安全に美しく続ける為に、基本となる「剣道用具の選び方、使い方、手入れ方法」を剣道愛好者(剣道初心者から高段者まで)に周く知って戴き度いとの願いを込めて、ここ20年の間にミシン刺しが主流になるなどの剣道用具の変化に合わせて内容を全面的に見直し、新版をリリースする運びとなりました。ページ数も増やした充実の一冊です。

令和劔人舎

剣道のインフラ作りに貢献したいと設立した令和劔人舎が、新版の版元となりました。
ご興味ある方は、上記画像の連絡先までお願い致します。

『剣道用具マニュアル 2023年版』のおすすめポイント (その1)

 ◎剣道用具の変化に合わせました
旧版の『剣道用具マニュアル』は、1994(平成6)年7月以来28年にわたって改訂をしながら発行が続けられました。在庫がなくなってきて印刷を迫られましたが、その発行目的は
「安全な剣道を広めたい」ということなので、この30年近い間に起きた剣道用具の変化を折り込んで全面的に改訂されました。
また、発行元が『令和劔人舎』になりました。

『令和劔人舎』は、著者の「安全な剣道を広めたい」という思いと「剣道修行のインフラとしての剣道用具マニュアルが必要である」という思いを共有しており、この思いを未来に引き継いでいきたいと考えています。

この思いから、事業というより社会貢献として価格設定しました。
ISDNのある書籍としての販売ルートではなく、武道具店が販売者・修理者の域を超えて、剣道の推進者・日本文化の発信者となれるよう、理解ある企業の力もお借りできました。

現在の目で見直し、改訂した『2023年版』をお勧めします。


『剣道用具マニュアル 2023年版』のおすすめポイント(その2)


剣道用具の解説がしてあります
『2023年版』には、旧版より詳しく剣道用具の解説をしました。
剣道用具の使い方やメンテナンス方法が分かれば「マニュアル」としては十分です。
しかし、現在剣道用具は大きな変化をしているのです。
今ここで、何が変わったのかを書き遺すことも重要ではないでしょうか。

剣道用具の大きなエポックは、
1.日本産の竹の竹刀がほとんどなくなった。さらに日本で生産している竹刀もほとんどなくなりました。
しかし、品質は安定しています。(中には本来5節あるはずなのに4節しかない柔らかすぎる竹刀もあることに注意。)

2.「洗うとすぐ乾く剣道着」ができました。
ポリエステルで厚地の剣道着や袴が出てきました。

3.「竹胴一択」から「標準は樹脂胴・高級な特注品は竹胴」へ
「孟宗竹を削り、組み立てて牛生革を貼り、漆を塗る」という手工業の作品しかなかったところに、「ヤマト胴」という画期的な工業製品の樹脂胴台ができ、裏側もあたかも竹を組み合わせたかのような『50本型』『60本型』もあり、変わり塗りや高級素材感も出せるようになり、見た目や所有欲が満足できるようになりました。

4.「綿の藍染」が至上ではなくなりました。
審査のときに「洗いまくって古くなった」ものは避け、「喝(かち)色」という濃紺を選ぶのではないでしょうか。
30年ぐらい前までは、剣道着は「綿の藍染」しかありませんでした。
「蒅(すくも)」と堅木の木灰で取った「灰汁」で自然発酵の染料で手間やコストをかけて染める「本藍染め」や、合成インディゴなど化学染料で大量に染められる「藍染め」がありますが、いずれにせよ、綿はどんな染めでも色落ちします。
最近ポリエステルで厚地の剣道着や袴が比較的安く出てきました。
厚地ならば衝撃吸収力で綿と大差がなくなってきたので、標準になりつつあります。

5.「ミシン刺しの面・小手は痛い。手刺しは痛くない」から「ミシン刺しで痛くない面・小手」へ変わりました。
30年ぐらい前までは、「ミシン刺しの面・小手は硬くて痛い。手刺しはちょうどよい柔らかさと張りがあって痛くない」でした。
しかし、刺し方の工夫や材料の工夫でミシン刺しでもちょうどよい柔らかさと張りを持たせた「ミシン刺しで痛くない面・小手」になりました。

6.「クロザン革から型押しのクローム鞣し革」
江戸末期まで甲冑に使う「刃を通さない革」として漆で固めた「クロザン革」は胴胸などに使う最高級の革でした。
しかし、革業界では特殊な革だったので、手間やコストが膨大にかかるところを飲み込んで、剣道具の材料のためだけに作ってくれる職人がいなくなりました。
十分な強度と美しさ、耐久性がある「型押しのクローム鞣し革」は革業界では一般的なので、それを剣道用具に使います。

7.「燻製した鹿革から化学繊維」が標準になりました。
汗に濡れても縮まない「燻製した茶色い鹿革」も、革業界では特殊な革で、剣道と弓にしか使わないでしょう。
もともと品質の良い茶革は小さな鹿(キョンなど)の革だったので、せいぜい50㎝の長さが最大という制約や、体に対して縦か横かによって収縮の幅や強度が異なるので使う方向の制約がありました。
化学繊維の人口茶革の手触りや耐摩擦強度が向上してほほ同等の機能になり、大きさや方向の制約なく使えるので、標準になっています。

8.「漆が必須」から「カシュー」などが標準になりました。
漆に代わる素晴らしい塗料がなかったのですが、1950年から市販が始まった「カシュー」が代替できるようになりました。
一方、品質の高い日本の漆は支援されていますが生産高が減少する一方です。

などです。
現在の目で見直し、改訂した『2023年版』をお勧めします。

 

KENJIN-SHA

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全ての剣道人、ひいては剣道界のお役に微力ながら立てるよう日々研鑽を積んでいます。